ダビンチ手術

ダビンチ手術(ロボット手術)をご存知ですか?

これはロボットが人間に代わって手術を行うというものではありません。あくまでも手術を行うのは外科医ですのでご安心ください。

ダビンチ手術はこれまでの腹腔鏡手術の進化系と考えてください。

腹腔鏡手術とは、おなかに5ミリ~1センチくらいの小さな穴をあけ、そこから内視鏡と細い手術器具をおなかの中に入れてテレビ画面を見ながら病気の部分を治す手術です。開腹手術に必要であった20-30cmのおなかの傷が、腹腔鏡手術ではわずか1cm・数か所となり、痛みの少ない低侵襲手術として消化器外科領域では癌の手術を含めて現在主流の手術となっております。しかしながら、使用する鉗子(手術器具)が棒のようなものであるために、奥まった部分での操作が行いにくいという欠点がありました。

この欠点を補うためにダビンチ手術では鉗子の先端に関節がついて、これまでの腹腔鏡手術で手が届きにくかった部分での操作が安全に行えるようになりました。

また「手が震えると鉗子も震えてしまう」という従来の腹腔鏡手術で起きていた問題も、このダビンチ手術ではモーションスケーリングという機能により手振れ防止ができるようになり、より正確な手術が行えるようになりました。

2021年現在、消化器外科領域では直腸切除・胃切除・食道切除など16術式が保険診療で行うことができます。しかし機械が新しくなってもそれを操作する外科医の技術が安定していなければ、手術の安全性が低下してしまいます。このためダビンチ手術はそれぞれの術式で一定以上の手術症例のある施設において、内視鏡外科技術認定を取得した外科医が一定のトレーニングを受けたうえで行うことが許可されます。

当院では、すでに泌尿器科領域でのダビンチ手術の保険診療が行われており、2021年より消化器外科領域で胃悪性腫瘍に対する手術の保険診療を開始しました。また直腸悪性腫瘍に対しても保険診療に向けてダビンチ手術が導入されました。さらに今後の保険診療が期待される鼠経ヘルニア手術においてもすでに自費診療で提供しております。それぞれの術式にダビンチ手術のメリットデメリットがございますので、患者様と相談の上で適切な医療をご提案させていただきます。お気軽に外来でご相談ください。

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