診療内容
耳鼻咽喉科は、耳、鼻、のどと、その周辺領域の病気を対象として診療を行います。
耳:滲出性中耳炎、急性中耳炎、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、突発性難聴、老年性難聴、補聴器相談など
鼻:アレルギー性鼻炎(花粉症)、副鼻腔炎、鼻茸、鼻中隔彎曲症、肥厚性鼻炎など
のど:急性扁桃炎、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍、咽喉頭炎、声帯ポリープ、いびき、睡眠時無呼吸症候群など
めまい、顔面神経麻痺、顔面・頚部の外傷、唾液腺疾患 など
当科では次のような手術を行っています
鼓室形成術(真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎)、内リンパ嚢開放術(メニエール病)、鼓膜切開術、中耳換気チューブ留置術、耳瘻孔摘出術、喉頭微細手術(声帯ポリープ)、扁桃摘出術、軟口蓋咽頭形成術(いびき、睡眠時無呼吸症候群)、顎下腺摘出術(顎下腺唾石症)など
診療実績
2016年4月から2017年3月までの耳鼻咽喉科入院患者数は252名でした。急性期のめまい、突発性難聴、急性扁桃炎を中心とする咽喉頭領域の急性炎症が多くを占めますが、睡眠時無呼吸症候群に対する精密検査(PSG:ポリソムノグラフィー)および経鼻的持続陽圧呼吸療法(nasal CPAP)導入のための入院が増加してきています。
年間手術症例数は60例でした(外来診察室での小手術は含みません)。扁桃摘出術およびこれに関連する手術が多くを占めますが、真珠腫性中耳炎・慢性中耳炎に対する側頭骨手術(鼓室形成術、鼓膜形成術)、耳硬化症に対するあぶみ骨手術、難治性メニエール病に対する内リンパ嚢開放術といった、耳科学領域の手術を合計20例施行しました。日常の耳鼻咽喉科診療においては、生命に関わる疾患を見落とさないことを最重要課題と考えています。耳・鼻・のどの悪性腫瘍、脳血管障害によるめまい、咽喉頭の急性炎症に伴う気道狭窄、真珠腫性中耳炎(頭蓋内合併症を生ずるおそれのある中耳炎)などがこれに当たります。患者さまとご家族に対する説明に際しては、医学用語を極力わかりやすく言い換えること、難聴のある高齢の方でも聴き取りやすいように明瞭な話し方をすることを心がけています。以上のことからどうしても1人あたりの診療時間が長くなり、診察前の患者さまを長くお待たせすることになりがちです。待ち時間についてはいつも心苦しく感じているのですが、診療の質が最も重要であると考えています。