凍結+ラジオ波の併用療法/130度の温度差を利用の詳細

治療の概要

CT室で全身麻酔をかけた後、最初に腫瘍を凍結し、その後にラジオ波治療を行います。
凍結治療およびラジオ波のそれぞれの治療は既に述べたものと同じです。腫瘍の温度をマイナス50度以下よりプラス80度まで一気に上げることにより、短時間に130度の温度差が生じ、単独療養より強い腫瘍壊死効果が望めます。

治療方法

CT室で全身麻酔を行います。CTを見ながら腫瘍に凍結用の針を刺します。腫瘍が大きい場合、2本穿刺します。凍結治療後、同じ針孔よりラジオ波針を刺入し、ラジオ波治療を行います。治療直後から歩行でき、通常は治療後2-4日間ほどで退院です。最も多い合併症は気胸(肺の針孔から空気が漏れて肺が縮む)ですが、その際には細い管を胸腔内に2-3日間、留置します。

凍結+ラジオ波の併用療法の利点欠点

凍結治療+ラジオ波の併用療法が凍結単独およびラジオ波単独より優れている点は腫瘍内の温度をマイナス50度以下よりプラス80度まで一気に上げることにより腫瘍細胞のダメージが強くなることです。それにより治療した部位からの再発(局所再発)の率が低くなる可能性があります。欠点は自費診療(70万円)のため経済的負担が高くなることです。ラジオ波治療単独であれば保険適応ですが、自費診療である凍結治療に加えた場合、ラジオ波治療も自費診療(15万円)となります。これは厚生労働省が決めている規則です。

合併症

合併症は凍結単独およびラジオ波単独と同様です。主な合併症は気胸約30%、血痰約30%です。気胸を生じた場合、細い管を胸腔内に2-3日間、留置します。血痰は1週間以内にほとんど消失しますが、時に止血剤を内服して頂きます。

治療費用

保険は効かず自費診療となります。凍結治療(55万円)とラジオ波治療(15万円)で概ね70万円+部屋代金(5日入院で3万円)=計73万円となります。但し腫瘍サイズが大きく、凍結治療に凍結針を2本使用した場合には針1本、15万円が加算され、85万円+部屋代金となります。

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