治療の概要
腫瘍の中に直径1.5ミリのラジオ波針を挿入してラジオ波電流を流し、電極周囲に熱(70-80度)を発生させることでがん細胞を凝固壊死させます。ラジオ波治療により直径2cm以下の腫瘍では約70%の局所制御が得られると報告されております。
一般的に肺腫瘍に対するラジオ波治療は局所麻酔で行われます。しかし局所麻酔でのラジオ波治療では以下の欠点があります。
(1)ラジオ波治療中、針が熱くなるので、火傷を負うような肉体的苦痛を生じることがある。
(2)治療が約1時間近くに渡りその間、CT室のテーブルの上に横たわっている必要があり、精神的苦痛を生じる。
(3)治療中、気管支内出血による気道閉塞を生じ、呼吸困難になることがある。
そのため当院ではラジオ波治療を全身麻酔下で行っています。

全身麻酔は以下の利点があります。
(1)全身麻酔においては1-2分間呼吸を止めることができるので、その間に針を腫瘍の中心に命中させることができ治癒率を高める。
(2)治療中の針の温度上昇による火傷のような苦痛は無くなる。
(3)1時間近くに渡る治療中の精神的負担がなくなる。
(4)気管チューブ内に特殊なバルーンを入れて気管支を選択的に塞ぐことで、気管支出血しても重大なことにはならない。
治療方法
CT室で気管の中にチューブを挿入し、全身麻酔を行います。CTを見ながら腫瘍に針を刺します。約30分の間にラジオ波通電を3回行います。治療直後から歩行でき、通常は治療後1-4日間ほどで退院です。
ラジオ波治療と凍結治療の利点欠点
ラジオ波も凍結治療も保険適応なので、患者様の金銭的負担は同じです。ラジオ波の利点は凍結治療より治療時間が短いので、凍結治療より1回に多くの腫瘍の治療が可能となります。しかしラジオ波治療の欠点は肺の炎症反応が強いので、太い血管や気管支の傍は施行困難であることです。
ラジオ波治療の合併症
主な合併症は気胸(肺から空気が漏れて肺が縮む)が約30%、血痰が約20%です。気胸を生じた場合、細い管を胸腔内に留置しますが、1-2日間で抜去できます。血痰は1週間以内に消失しますが、時に止血剤を内服して頂きます。また凍結針刺入部の皮膚に火傷(2度:発赤と浮腫、水疱、びらん)を生じることが稀にあります。
治療費用
保険適応となります。
