腎センターについて
腎センターは保存期慢性腎臓病、急性腎障害、透析療法、腎臓病、腎臓移植、腎臓関連疾患、そして各種アフェレシス療法、胸・腹水濾過濃縮再静注法(CART)に関わる治療を行なっています。専任の医師・看護師・臨床工学技士・栄養士・薬剤師・理学療法士がチームとなり、皆様の腎臓病ならびに血液浄化・アフェレシス療法を必要とする疾患に対する診療を行っています。
診療範囲
1.保存期慢性腎臓病の治療と生活指導
2.末期腎不全に対する透析療法(血液透析、血液濾過透析、腹膜透析)
3.急性腎不全、多臓器不全、免疫疾患、肝不全、等に対する血液浄化・各種アフェレシス療法
4.血液透析患者さんなど慢性腎不全患者さんの外科治療
5.Blood accessに対する治療
6.難治性胸腹水に対する胸・腹水濾過濃縮再静注法(CART)
7.入院患者さんの腎臓病に関する他科との連携
8.高齢の患者さんや日常生活動作の低下した患者さんに対し、理学療法士が透析中に運動療法を行い、導入後も日常生活を元気に楽しく過ごせるように体力の維持・回復を目指す
このように、柏厚生総合病院では、
①慢性腎臓病の進展を阻止する保存時慢性腎臓病の管理
②血液透析療法とオンライン血液濾過透析・腹膜透析
③アフェレシス療法
④透析患者さんへのリハビリテーション
⑤Blood accessの作製
を中心とする診療を行っております。
透析療法について
血液透析(HD)とオンライン血液濾過透析(HDF)
末期腎不全とは腎臓のはたらきが低下し、体内の老廃物や余分な水分を排泄できない状態をいいます。腎不全が進行すると食事療法や薬物療法だけでは尿毒症をコントロールすることができなくなり放置すると全身衰弱から命が危険になります。そのため「透析療法」か「腎臓移植」によって腎臓の働きを補助する必要があります。
透析療法にはおもに血液透析(Hemodialysis:HD)と腹膜透析(Peritoneal Dialysis: PD)があります。当院では、主に血液透析と血液透析の応用であるオンライン血液濾過透析療法を行っています。透析療法といえば血液透析が主流ですが、今後は、自分のライフスタイルにあわせて治療ができる腹膜透析の導入も選択肢の一つとなります。そのような観点から、当センターでは患者さんのご希望ならびに患者様の状態を考えた上で、3つの腎代替療法である血液透析・腹膜透析・腎臓移植をご提案していきます。
ブラッドアクセスについて
当センターでは、透析治療に必須の内シャントの作製手術を多くの場合外来日帰り手術で対応し、動脈表在化術、人工血管手術も行なっています。
透析患者さまの腎臓リハビリテーションのご案内
当院では透析患者さんの健康を守るための腎臓リハビリテーションを推進しています。透析患者さんにおいて、運動は継続が大切です。筋力を維持し、寝たきりやフレイル状態を予防すると期待されています。私たちは、リハビリテーション科と協力し、透析中に行う腎臓リハビリテーションプログラムを行っております。体力に応じた運動療法を行い、運動の効果を評価し、運動を継続し日課となるような支援を行っております。
胸・腹水濃縮濾過再静注法(CART)
肝硬変や癌性腹膜炎により腹水が大量に貯留すると、患者さんに腹部膨満感や食思不振、呼吸困難感などの苦痛をもたらし、生活の質を低下させること繋がります。そのような患者さんに対して当センターでは、CART療法で腹水を処理し、患者さんの苦痛を取り除くことを行なっています。
このように当センターでは、腎疾患だけではなく、肝疾患や悪性腫瘍に対する治療も行なっています。
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腹満のため経口摂取できず:CART前 腹水8ℓ抜水 CART後
経口摂取可能となった