心臓外科

高齢化が進む中、心臓の治療を必要とする患者さんが増加傾向にあります。
以前に比べ手術を受ける患者さんも高齢化しております。
患者さんに安全で最善の情報と治療を提供し、早期回復を目指したリハビリを行うことにより1日も早い社会復帰、日常生活への復帰を目指します。
近隣の医療機関とも密に連携を取りながら、さらに地域の住民と医療講演などの場を通じ親しみやすい診療科を目指します。

自分が生まれ育った地域の方々に恩返しができるよう、最新の治療を積極的に取り入れるよう自己研鑽に努めます。

診療方針

近隣の循環器内科とも連携し、循環器全般の外科治療(虚血性心疾患、弁膜症、大動脈解離、大動脈瘤、閉塞性肥大型心筋症、頸動脈狭窄症、不整脈、心臓腫瘍など)の診療にあたります。また血管外科と連携し血管疾患(大動脈疾患や末梢血管疾患)に対しても診断、治療を行います。低侵襲手術も積極的に取り入れ患者の負担の少ない治療を心がけています。

診療内容

◆成人先天性疾患
幼少期に心臓手術を受けた患者が成長すると弁膜症とくに肺動脈弁、大動脈弁の再手術が必要になることがあります。また幼少期に先天性心疾患を見過ごされて成人となり心不全を契機に発見されるケースもあります。
対象疾患は心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、修正大血管転移症、ファロー四徴症、大動脈弁狭窄症、肺動脈弁狭窄症など

◆心臓弁膜症
労作時の動悸、息切れは弁膜症の可能性があります。そのような症状があればすぐにご相談ください。

大動脈弁狭窄症
大動脈弁が充分開かないため左心室から全身へ血流が十分に送り出せません。そのため、心筋も酸素不足となり胸痛、危険な不整脈を生じることもあります。

◆大動脈弁閉鎖不全症
大動脈弁が閉じないため、血液が左心室へ逆流します。そのため左心室への容量負荷がかかり心拡大を起こします。進行すると心不全につながります。

◆僧帽弁狭窄症
僧帽弁が充分に開かないため左心房から左心室への血流が障害されます。その結果、左心房が拡大し不整脈(心房細動)を起こし、血の塊(血栓)が形成されやすくなります。また、肺にも水がたまり呼吸苦を引き起こします。

◆僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁が閉じないため左心室から左心房へ血液が逆流し左心房に負担がかかります。その結果、不整脈(心房細動)が出現したり、進行すると心不全につながります。

◆感染性心内膜炎
血液に侵入した細菌が心内膜や心臓弁に感染し心臓弁を破壊します。その結果、心不全や塞栓症を引き起こします。感染の誘因には、歯科治療、風邪、免疫不全などがあげられます。

治療法

当院では自己弁を温存した弁形成術を積極的に行っております。人工弁による弁置換術を行う場合は主に2種類の弁(機械弁・生体弁)を年齢、病態、生活環境に合わせ選択していただきます。

生体弁 機械弁
素  材 ウシやブタの生体組織 チタンやパイロライトカーボンなど
血栓のできやすさ 血栓はできにくい 弁の周りに血栓ができやすい
耐 久 性 10~20年 半永久的/30〜40年
抗凝固剤療法の有無

(ワーファリン)

術後2~3ヵ月程度 生涯にわたり必要


経カテーテル大動脈弁治療(TAVR)
TAVRは、重症の大動脈弁狭窄症に対する新しい治療法で、カテーテルを使って人工弁を留置します。
TAVRは人工心肺を使用しなくて済むことから、患者さんの体への負担が少ないですが、対象となるのは主に高齢のために体力が低下している方や、その他の疾患を合併しており従来の心臓を止めて行う手術が不向きな患者さんです。TAVIを行っている施設と連携し、紹介を行っています。お気軽にご相談ください。

冠動脈バイパス術

虚血性心疾患とは、心臓を栄養する冠動脈の狭窄、閉塞により心筋に十分な血流が供給できず虚血に陥ると、狭心症や心筋梗塞を発症する病気です。
治療方法としては内科的にカテーテルを用いた経皮的冠動脈形成術(PCI)がありますが左主幹部病変や重症な冠動脈病変でカテーテル治療が困難な場合、外科的に冠動脈バイパス術が必要になります。
冠動脈バイパス術は狭窄した冠動脈の遠位側に血管(内胸動脈や足の静脈)をつなぎ、狭窄部をバイパスすることで心筋への血流を改善させる手術です。
人工心肺を使用しないオフポンプバイパス術も症例に応じて行います。

頸動脈狭窄症

頸動脈の動脈硬化が進行し頚動脈が狭くなると、脳への血流が低下し眩暈などの脳虚血症状を起こしたり、また狭くなった部分から血栓や動脈硬化の破片が脳の血管に流れて脳血管を閉塞し脳梗塞をおこします。
頚部頚動脈狭窄に対しての治療法は主に2種類あり、カテーテルを用いて狭窄部にステントを留置する方法(CAS)と、頚動脈を切開して動脈硬化を取り除く内膜剥離術(CEA)があります。
ステント治療は傷が小さく侵襲が少ないです。
心臓手術を行う患者のうち約1割近くが頸動脈病変を合併しており、当院では人工心肺にて脳保護を行い、頚動脈内膜剥離術と心臓手術の同時手術を行っております。
術前         術後

大動脈疾患

◆急性大動脈解離
突然、大動脈内側に亀裂が入ってそこから壁が裂けてしまう病気です。大動脈の裂け目が進行し、主要分枝を巻き込んで心筋梗塞,脳梗塞、腸管壊死、下肢虚血を起こしたり、心タンポナーデや破裂し突然死を起こす危険な病気です。発症時の突然の激しい背部痛、腰痛が特徴的です。すぐに入院が必要で、タイプによっては救命のため緊急手術が必要です。

(胸部・腹部)大動脈瘤
大動脈の壁が部分的に瘤化する病気です。一般的には症状に乏しく検診などで初めて見つかることがほとんどです。動脈径が5cm以上の太さになってくると破裂する危険性がでてきます。大動脈がいったん破裂すると死に至る危険があります。

大動脈瘤の治療
一旦形成されてしまうと、元のサイズに戻ることはありません。サイズが小さい間は高血圧の治療をして大きくなるのを予防します。定期的に検査をして大きくなっていないかチェックすることも重要です。大きくなって破裂する危険性が出てくると外科的な治療が考慮されます。
外科的治療には人工血管置換術とステントグラフト内挿術の2通りあります。動脈瘤の位置、形、血管の正常、年齢などいろいろなことを考慮してどちらかの治療法を選択します。

心臓外科 依田真隆

心臓外科部長 依田真隆
経歴

1998年 東京女子医科大学医療練士研修生
1999年 福山循環器病院出向
2000年 産業医科大学第2外科修練医
2000年 ドイツ連邦共和国ノルドラインウエストファーレン州立、バードユーンハウゼン心臓・糖尿病センター胸部・心臓血管外科
2005年 日本大学大学院総合科学研究科 生命科学科 助手
2008年 心臓血管研究所付属病院 心臓血管外科医長
2012年 新東京病院 心臓血管外科医長
2015年 北関東循環器病院 心臓血管外科医長
2018年 大崎病院 東京ハートセンター
2019年 柏厚生総合病院 心臓血管外科部長

医師

部長 依田真隆

学歴

産業医科大学 H10卒

学位
医学博士
所属学会

日本外科学会  日本心臓血管外科学会
日本循環器学会 日本胸部外科学会
日本脈管学会
日本心臓リハビリテーション学会

認定等

日本外科学会専門医
日本心臓血管外科学会専門医
日本循環器学会専門医
3学会構成心臓血管外科修練指導医
日本医師会認定産業医
臨床研修指導医
日本心臓リハビリテーション学会心臓リハビリテーション指導士
下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実施基準による指導医・実施医
日本ステントグラフト実施基準管理委員会胸部ステントグラフト実施医
日本ステントグラフト実施基準管理委員会腹部ステントグラフト実施医
浅大腿動脈ステントグラフト実施基準管理委員会浅大腿動脈ステントグラフト実施医
経カテーテル的大動脈弁治療研修修了

本川真美加

学歴

秋田大学 H13卒
秋田大学大学院 H29卒

学位
医学博士
所属学会

日本外科学会     日本胸部外科学会
日本心臓血管外科学会 日本小児循環器学会

認定等

日本外科学会専門医
日本心臓血管外科学会専門医
日本ステントグラフト実施基準管理委員会腹部ステントグラフト実施医

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