人工肩関節

肩関節の人工関節について

肩の痛みを来す疾患として、肩関節周囲炎、いわゆる50肩、凍結肩、腱板断裂、変形性肩関節症などがあります。多くは保存的加療でよくなりますが、腱板断裂、変形性肩関節症の中には保存的加療では治らなく、手術が必要になることもあります。
腱板断裂とは、上腕骨頭を覆っている4つの腱(棘上筋腱、棘下筋腱、小円筋腱、肩甲下筋腱)のいずれかが断裂するものです。
腱板断裂の原因として肩峰骨棘によるインピンジメント(図1)があります。これは、経年変化として肩峰にできた骨棘が、長い年月の間に腱板をすり減らし、やがて断裂(図2)してしまいます。

 

腱板(ここでは主として棘上筋)の働きは、上腕骨頭を下に押し下げることにより、三角筋のレバーアームにより腕を挙げることです(図3)。腱板が切れてしまうと、上腕骨頭を下に押し下げる機能を失い、上腕骨頭が臼蓋という上腕骨頭の受け皿より上に来てしまいます(図4)。上腕骨頭の上方化(上方への亜脱臼)を来すと腕をあげることが困難となる、いわゆる仮性麻痺になります(図5)。

この様な状態になると、日常生活動作が不自由になるばかりではなく、食事を自分で口に運べなくなり、生命予後に大きくかかわるといわれております。上肢が挙がらない人の健康寿命は上肢が挙がる人の健康寿命より10年近く短いという報告もあります。このような人達にいろいろな治療法が試みられて来ましたが、安定して良好な成績を収めることが長い間出来ませんでした。しかし、2014年4月から本邦でも行うことが可能となったリバースショルダー人工肩関節置換術(図6)の登場により状況は一変しました。導入当初はその成績を疑問視されましたが、肩関節の治療に熟知した医師のみ資格が与えられ、導入される前から十分にトレーニングと議論が繰り替えされたことにより予想以上の成績を収めております。当院でも早くからこの人工肩関節を導入し、さらに2つの機種の良いところを合わせたhybrid 手技(図7)をいち早くから導入し安定した成績を収めております(図8)。

 

腱板断裂後変形性肩関節症だけではなく、高齢者の上腕骨近位端粉砕骨折(図9)や
高齢者の上腕骨近位端骨折偽関節(図10)にも行い良好な成績を収めております。

肩の治療法は進歩しております。長年肩の痛みでお悩みの方、肩の痛みで眠れない日々が続く方、50肩と診断されたけど、なかなか治らない方、是非一度外来におこしください。一緒にその原因を探してみましょう。必ず解決策はあると思います。

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