検体検査
尿や便、血液などの試料(検体)について、そこに含まれる成分や細胞の形や数などを調べる検査のことです。
以下の通り、各専門分野に分かれて検体検査を行っています。
生化学検査
肝機能、心機能、腎機能、蛋白、脂質代謝、糖代謝、電解質などを検査しています。


生化学自動分析装置
日本電子 BM6050 , ZS050
血液学検査
貧血の有無や、感染症や炎症による白血球数の増加やその種類などを検査しています。


凝固:全自動血液凝固測定装置 血算:多項目自動血球分析装置
シスメックスCS-2500 シスメックスXN-2000
免疫学検査
腫瘍マーカー、甲状腺機能、心機能、感染症検査を行っています。 腫瘍マーカー検査では、CEA・CA19-9・AFP・PSA・SCC 、甲状腺機能検査では、TSH・FreeT3・FreeT4、心機能検査では、BNP・トロポニンI、感染症検査では、B型肝炎・C型肝炎・梅毒などの検査をしています。 その他にも、鼻腔や咽頭を綿棒で拭った検体で、インフルエンザウイルス・アデノウイルス・RSウイルス・A群溶連菌・マイコプラズマなどの迅速検査も行っています。
全自動化学発光免疫測定装置
アボットAlinity i(2台)
一般検査
尿や便、体腔液などを用いて検査を行っています。
尿検査 : 尿中の蛋白や糖、血液が含まれていないか調べます。また、細菌の有無や細胞成分の観察も行っています。
便検査 : 糞便中に血液が含まれていないかを調べる便潜血定量検査や寄生虫、ノロウイルスなどの検査を行っています。
便潜血測定装置
栄研化学OCセンサーPLEDIA
検体検査情報
血液検査
生化学検査
| 検査項目 |
説明 |
| TP
(蛋白) |
血液中のタンパク質の総量
全身の栄養状態や肝機能、腎機能の病状把握をみています。 |
| ALB
(アルブミン) |
肝臓で作られ、肝臓の病気や栄養障害で低くなります。 |
| CRP
(C反応性たんぱく質) |
体内に炎症が起きると高くなり、病気の進行度や重症度、経過、予後をみる大切な指標です。 |
| AST
(アスパラギン酸アミノ基転移酵素) |
心臓、肝臓、筋肉に多く存在する酵素
肝障害や心筋梗塞で高くなります。 |
| ALT
(アラニンアミノ基転移酵素) |
肝臓に多く含まれる酵素
肝障害や胆道系の病気で高くなります。 |
| LDH
(乳酸脱水素酵素) |
心臓、肝臓、筋肉、血液の中に存在する酵素
それらの臓器の異常に伴い高くなります。 |
| ALP
(アルカリ性ホスファターゼ) |
肝臓、胆道系(胆汁の通り道)の病気や、骨の病気の指標
成長期にある小児は成人よりも値が高くなります。 |
| γ‐GTP
(γ-グルタミントランスペプチダーゼ) |
肝臓、胆道系の病気で高くなります。
アルコール摂取量が多い人でも高くなります。 |
| CHE
(コリンエステラーゼ) |
肝臓の病気で低くなり、有機リン製剤の投与や中毒でも低くなります。 |
| 脂肪肝では高くなります。 |
| T-Bil
(総ビリルビン) |
肝臓、胆道系の障害で高くなります。 |
| D-Bil
(直接ビリルビン) |
黄疸の指標となります。 |
| AMY
(アミラーゼ) |
膵臓や唾液腺より分泌される消化酵素
膵臓や唾液腺に異常があると高くなります。 |
| P-AMY
(P型アミラーゼ) |
AMYにはP型とS型の2種類ありますが、膵臓に特異的なのはP型です。
膵疾患とそれ以外の疾患を区別するために測定します。 |
| CK
(クレアチンキナーゼ) |
骨格筋や心臓、脳などに多く存在する酵素
筋肉の細胞が壊れたり、激しい運動後に高くなります。 |
| CK-MB |
CKにはBB型、MB型、MM型の3種類ありますが、
MB型は急性心筋梗塞の際、すみやかに上昇するため簡便な迅速検査として測定されます。 |
| BNP
(脳性ナトリウム利尿ペプチド) |
心臓から分泌されるホルモンの一種
心臓の異常を判断するための指標であり、心臓に負担ががかかるような病気に罹ると高くなります。 |
| BUN
(尿素窒素) |
腎臓のはたらきを知るのに用いられ、腎機能が低下すると値は高くなります。 |
| CRE
(クレアチニン) |
筋肉が働くためのエネルギー源であるクレアチンが代謝されて出来た物質であり、腎臓のはたらきを知る目安です。 |
| UA
(尿酸) |
プリン体(アジ、カツオ、エビ、肉や魚、ビールなどに多く含む)の最終産物で、痛風や腎障害で高くなります。 |
| eGFR
(推算糸球体濾過量) |
腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示し、腎臓の働きが悪いと低下します。 |
| Na(ナトリウム)
K(カリウム)
Cl(クロール) |
体内の水分バランスの状態をみます。
腎臓の病気やホルモンの異常、脱水などで高くなったり、低くなったりします。 |
| Ca
(カルシウム) |
体内で最も多く含まれるミネラルの一つで、骨や歯を作っています。
筋肉の伸び縮みの調節や細胞内の情報のやりとりに必要です。 |
| T-cho
(総コレステロール) |
体の脂肪成分の1つです。
増えすぎたコレステロールは血管壁に付着し、血管を詰まらせるため、動脈硬化や心臓病などの循環器障害の診断や経過観察に用います。 |
| TG
(中性脂肪) |
体内の脂肪成分の一つ食後で高くなります。
600以上で急性膵炎の危険性が高まると言われています。 |
| HDL- cho
(HDLコレステロール) |
善玉コレステロールとも呼ばれ、動脈硬化が進むのを防ぎます。 |
| LDL- cho
(LDLコレステロール) |
悪玉コレステロールとも呼ばれ、動脈硬化の危険因子として総コレステロールよりも重要です。 |
| Glu
(グルコース) |
糖尿病の有無、治療、管理の指標となります。
検査当日の血糖状態
※食事の前後で数値が異なるため、空腹時に検査します。 |
| HbA1c |
過去1~2ヶ月の血糖状態を反映します。
糖尿病の長期コントロールに有用です。 |
| トロポニンI |
心臓にダメージを受けると血液中に出現するため心筋梗塞、心筋炎、狭心症などで高くなります。 |
血液学検査
| 検査項目 |
説明 |
WBC
(白血球数) |
白血球という血液細胞数、細菌やウイルスなどの異物を排除する免疫機能を担う細胞。炎症の目安になります。 |
RBC
(赤血球数) |
赤血球という血液細胞数、貧血・多血症の診断に用いられます。 |
Hgb
(血色素量:ヘモグロビン) |
赤血球に含まれるたんぱく質、体に酸素を運び供給します。 |
Hct
(赤血球容積) |
血液中の赤血球の割合を示します。 |
MCV
(平均赤血球容積)
MCH
(平均赤血球血色素量)
MCHC
(平均赤血球血色素濃度) |
RBC、Hgb、Hctの3項目から算出される項目、貧血の診断・分類に用いられます。 |
PLT
(血小板数) |
血小板という血液細胞、主に止血機能を担い、血管が損傷した際に傷口を塞ぎ出血を止める働きがあります。 |
凝固検査
|
検査項目
|
説明
|
| PT時間・活性 |
血小板と共に止血作用を担う凝固因子、肝機能障害、抗凝固剤服用時などで延長します。 |
| PT-INR |
主にワルファリン(抗凝固剤)のコントロールの指標として用いられます。 |
| APTT |
血小板と共に止血作用を担う凝固因子、肝機能障害、血友病などで延長します。 |
| フィブリノーゲン |
凝固因子によりフィブリンに転換し、血小板と共に止血作用の中心的役割をしています。 |
| FDP、Dダイマー |
血栓を溶解する際に生じる産物、主に血栓症などで上昇します。 |
免疫学検査
腫瘍マーカー
がんのスクリーニングとして行われます。
診断するうえで補助的な検査、あるいは治療していくうえで経過観察する検査として行われます。
異常値だからといって必ずがんが存在すると言えませんが、値が高い場合は別の検査に進む目安になります。
AFP
(αフェトプロテイン) |
肝臓がんのスクリーニングとして用いられます。
肝硬変、肝炎の場合でも高くなります。 |
CEA
(癌胎児性抗原) |
大腸などの消化器系のがんのスクリーニングとして用いられます
高齢や喫煙でもやや高くなります。 |
| CA19-9 |
膵臓がんや胆道がんのスクリーニングとして用いられます。
糖尿病や胆石症、慢性肝炎などでも高くなります。 |
PSA
(前立腺特異抗原) |
前立腺がんのスクリーニングとして用いられます。
前立腺肥大症でも高くなります。 |
SCC
(扁平上皮癌関連抗原) |
扁平上皮がんのスクリーニングとして用いられます。
アトピー性皮膚炎や気管支炎などでも高くなります。 |
| トロポニンI |
心臓にダメージを受けると血液中に出現するため
心筋梗塞、心筋炎、狭心症などで高くなります。 |
TSH
(甲状腺刺激ホルモン) |
甲状腺の病気を診断するうえで、3つの検査を組み合わせて総合的に判断します。
TSHの値が低くFreeT3とFreeT4の値が高い場合は、甲状腺機能亢進症でバセドウ病などが考えられます。
TSHの値が高くFreeT3とFreeT4の値が低い場合は、甲状腺機能低下症で橋本病などが考えられます。 |
FreeT3
(遊離トリヨードサイロニン) |
FreeT4
(遊離サイロニン) |
尿検査
一般検査
|
検査項目
|
|
| 比重 |
腎臓での尿の濃縮力を調べる検査、摂取した水分量などで変化します。 |
| 反応(pH) |
酸性かアルカリ性かを調べる検査、食事や運動などさまざまな
要因で変化します。 |
| 蛋白定性 |
主に腎臓の機能低下した際に陽性となります。
健常者でも生理的要因により陽性を呈することがあります。 |
| 糖定性 |
血糖値が上がる疾患(糖尿病など)の検査に用います。
食後、ストレス、妊娠などでも陽性を呈することがあります。 |
| ケトン体定性 |
糖尿病、下痢、嘔吐、妊娠中のつわりなどで陽性を呈します。 |
| 潜血 |
尿に血液が出ていないを見ています。
腎臓の炎症や結石による尿路系の出血などさまざまな疾患により陽性を呈します。 |
| ウロビリノーゲン |
肝機能障害などで尿中に出現します。健常者でも少量尿中に
排泄されています。 |
| 尿沈渣 |
尿中の細胞などの有形成分を顕微鏡で観察し、その有無や
数を見ています。腎・尿路系疾患などの検査です。 |
~ご注意~
- 説明内容は一般的なものでかつごく平易に解説したものです。
- 病気の程度や時期などによって必ずしもご自身の状態に当てはまらないこともあります。
- あくまでご参考としてください。
生理検査
検査科では、病気の診断や治療効果の判定を行うために様々な項目を実施しています。
尿や便、血液などを試料として行う検体検査と直接患者様に触れて行う生理検査の2つに分けられます。
心電図
手足・胸に電極をつけて、心臓から発生する微少な電気を波形として記録する検査で、不整脈や虚血性心疾患など、心臓の様子を調べます。
負荷心電図
運動をして心臓に負担をかけて、変化があるかどうかを調べます。
ホルター心電図
心電図や普段と全く変わらない生活をしながら24時間または7日間心電図を記録し、不整脈の程度、虚血性心疾患の発作を捕える検査です。
心音図
胸に小さな機械をのせて心音、心電図を記録します。記録された結果はAI解析、医師の判読により心臓弁膜症や先天性心疾患、心不全などの診断に用いられます。
ABI(動脈硬化)検査
足首と上腕の血圧比(ABI)、足指と上腕の血圧比(TBI)や心臓の拍動が手足に届くまでの速度(PWV)を調べることで、動脈硬化の程度を数値として表したものです。この検査を行うことにより、動脈の硬さ、動脈の詰まり、血管年齢を知ることができます。
肺機能検査
肺機能検査はマウスピース(直径2cm位の筒)をくわえて、息を吸ったり吐いたりすることで肺の機能を調べる検査です。苦痛はありませんが、正確に測るために、患者様ご自身が精一杯努力する必要があります。 例えば喘息などには一般的な検査で、手術の術前検査にも必ず施行されます。
肺拡散能(DLCO)検査
肺がどれだけ効率よく酸素を血液中に取り込めるかを調べる検査です。呼吸器疾患の存在や重症度、治療効果の評価に幅広く利用されている検査です。少量の一酸化炭素ガス(CO)を吸入し,息を止め,そして呼出した後に,呼気終末の一酸化炭素を採取することにより測定します。
呼気一酸化窒素濃度(呼気NO)検査
呼気中のNO(一酸化窒素)の濃度を測定する検査です。
呼気中NO濃度を測定することで好酸球性気道炎症の存在や程度を調べることができ、喘息の診断や治療効果の判断に活用されます。
鼻腔通期度検査
鼻のつまり具合を客観的に測定する検査です。
鼻にセンサーを装着し鼻呼吸を繰り返すだけで簡単に測定できます
聴力検査
耳に受話器(ヘッドフォン)をあて,どの程度小さい音が聞こえるかを調べる検査です。耳に受話器をあてて音を聞く方法(気道聴力)と耳の後ろの骨に骨導端子をあてて音を聞く方法(骨導聴力)があります。
内耳機能検査 (検査時間の目安15分)
weber, ABLB 検査を行い感音難聴の程度を調べます。
ティンパノメトリー検査 (検査時間の目安5分)
鼓膜の動きをみる検査です。
耳小骨筋反射検査 (検査時間の目安5分)
大きな音を聞いた時に起こる耳小骨の筋の動きをみる検査です。
神経伝導検査
神経の走行に沿って2カ所で刺激を加え、誘発された複合筋活動電位の振幅と潜時を計測し、末梢神経病変の有無と性質を検査します。 主に手のしびれや(手根管症候群、肘部管症候群)足のしびれなどを調べます。
DPNチェック
主に糖尿病性末梢神経障害(DPN)の診断を簡便かつ客観的に行うための神経伝導検査です。
皮膚上より電気刺激しますので、痛みや不快感を伴いますがご理解ください。
聴性脳幹反応(ABR)
耳から一定の音を聞かせ、脳幹の聴覚伝導路から出る脳波をコンピューター解析して聴力を調べる検査です。
当院では主に新生児・乳幼児難聴の早期診断を目的として、検査をして実施しています。
脳波検査
頭皮に電極を装着して脳の電気的活動を記録し、脳の機能を評価する検査です。
てんかん、睡眠障害、脳の腫瘍や梗塞などの疾患の診断に用いられ、痛みはありません。
超音波検査
体の表面から人の耳には聞こえない超音波を当て、体内の組織にぶつかってはね返ってきたエコー(こだま)を画像に映し出す検査で、エコー検査とも呼びます。
放射線の問題もなく、繰り返し行うことができる検査です。
検査方法は検査する対象臓器がある皮膚面にゼリーを塗り、プローブ(超音波を発する探触子)をあてるだけなので痛くありません。すべて予約検査になります。
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検査項目
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検査内容
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| 腹部超音波 |
肝臓、胆嚢、腎臓、膵臓、膀胱、前立腺、子宮、卵巣などが対象となります。なかでも胆石や早期肝臓がんの発見に有用です。 |
| 心臓超音波 |
心臓の大きさ、動き、弁の状態などを観察します。心筋梗塞や心臓肥大、弁膜症、先天性心疾患などがわかります。 |
| 頚動脈超音波 |
心頚動脈は動脈硬化の好発部位であることから、全身の動脈硬化や脳血管疾患の評価に用いられます。 |
| 甲状腺超音波 |
甲状腺がん、甲状腺機能亢進症、甲状腺腫、甲状腺炎などについて検査します。 |
| 乳腺超音波 |
しこり(腫瘤)の存在を調べます。良性の乳腺症や しこりのようなものから、乳がんまで、早期発見に有用です。 |
| 下肢静脈超音波 |
下肢の静脈にできた血栓(深部静脈血栓)の有無を調べます。 |
| その他超音波 |
副甲状腺、表在腫瘤なども行っています。 |
≪超音波認定技師≫
消化器、循環器、表在、泌尿器、健診、血管など各領域の認定技師が多数在籍しています。

▲超音波検査装置
睡眠時無呼吸症候群検査
SAS検査
簡易検査になります。
機械はご自身で簡単に装着できますので、ご自宅での検査が可能です。指と鼻にセンサーを取り付けますが、痛みはありませんのでご安心ください。
検査結果により、より詳しい検査が必要な場合は、PSG検査を行なう場合もあります。
PSG検査
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のタイプや重症度を調べる専門的な検査です。1泊入院していただき睡眠中の呼吸状態や脳波を詳しく記録します。結果の解析を行い、治療方法を検討します。簡易検査よりも取り付けるセンサー類は多くなりますが、痛みを伴うものではありません。
病理検査
病理検査室では、大きく分けて組織診断、細胞診断、病理解剖の3つを行っています。
組織診断
患者様から採取された生検材料や手術切除材料から病理標本を作製し、顕微鏡で観察して病名を確定させる検査です。
診断は病理医師が行い、標本作製は臨床検査技師が担っています。
~ 診断までの流れ ~
1 . 切り出し
生検材料や手術切除材料を、提出された病理診断依頼書を参考に、肉眼的な観察を行い、診断に必要な部位を、標本作製可能な大きさに切り出します。


撮影装置付き切り出し台(MILESTONE社 eGROSS pro-X) 自動包埋装置(ライカASP6025S 白光製作所)
2 . 包埋(ほうまい)
光学顕微鏡で観察出来るように、組織を薄く切る必要があるため、冷えると固まる性質を持つパラフィンを用いて、適度な硬さのブロックにします。

包埋センター(TEC6EM-J0サクラ精機株式会社)
3 . 薄切(はくせつ)
パラフィンブロックを光学顕微鏡で観察出来るように3~4μmの厚さの切片を作製します。

ミクロトーム(リトラトームREM710 YAMATO)
4 . 染色(せんしょく)
ヘマトキシリンエオジン(HE)染色を行います。

自動染色装置(DRS-Prisma-P-JD 千代田製作所)
5 . 封入(ふうにゅう)
染色後は自動封入装置を用いて、表面にフタをし、光学顕微鏡で観察出来るようにします。組織の乾燥や損傷などを防ぐ役割もあります。

自動封入装置
6 . 診断(しんだん)
光学顕微鏡を用いて病理医師が行います。良性なのか悪性なのかだけではなく、性質や性状から組織型(由来)を最終的に確定させるため、その後の治療方針の決定などに大きく関わっています。また、HE染色標本のみで、最終的な確定に至らない場合は、免疫組織化学染色や特殊染色を用いて、最終診断を行います。
※免疫組織化学染色(めんえきそしきかがくせんしょく)
体内には様々なタンパク質が存在し、臓器によって異なるものや、疾患により特異的なタンパク質を有するものがあります。そのタンパク質を可視化させ、目的のものがどのように存在するのかを確かめる方法です。最終的な診断確定にはとても重要となる染色です。

自動免疫染色装置(ベンチマークGX ロシュ)
迅速検査
手術中に提出される検体を凍結処理し、迅速に診断する検査です。病変の広がりなどを調べ、手術範囲決定などの補助となります。

クリオスタット(ティシュー・テック・ポーラーD サクラファインテクジャパン株式会社)
細胞診断
患者様より採取された様々な検体を適正に処理し、光学顕微鏡を用いて悪性細胞がいないか、異常を疑う所見がないかなどを観察します。診断は資格を有する細胞検査士が行います。
検体の種類
・婦人科検体(膣、子宮腟部・頸部、子宮体部(内膜)など)
・穿刺吸引検体(乳腺や甲状腺、耳下腺やリンパ節など)
・体腔液(腹水や胸水、心嚢液など)
・呼吸器検体(喀痰、気管支擦過など)
・泌尿器検体(尿、膀胱洗浄液など) などの様々な検体があります。
※ 検体ごとの処理の方法や、観察方法などを正しく理解する必要があります。
~ 診断までの流れ ~
1 . 検体採取
患者さまの元に直接お伺いし、採取および採取補助を行います。ベッドサイドにて様々な検体を適切な方法でスライドガラスに塗抹(とまつ)します。
2 . 検体処理
検体の種類や性状に合わせて適切な方法で処理をします。
(方法:直接塗抹法やすり合わせ法、引きガラス法や捺印法など)
感染を防ぐため、安全キャビネット内で検体処理を行います。

3 . 染色
パパニコロー染色を行います。(装置は組織診断と同じ機械)
4 . 診断
通常は細胞検査士2名体制で診断を行い、最終診断は病理医師が行います。見落としや誤診を防ぐために必ずダブルチェックを行います。
病理解剖
病死された患者さまのご遺体を解剖し、採取した組織や細胞から顕微鏡標本を作製し、病理医師が診断を行います。生前の診断が正しかったのか、病気の進行程度や治療効果判定、死因などの解明を目的としています。病理解剖は、ご遺族の承諾が得られた場合にのみ行われます。