血管腫・毛細血管拡張症のレーザー治療開始のお知らせ

2019年03月01日
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当院形成外科では今まで、炭酸ガスレーザーを用いたほくろやいぼ(脂漏性角化症)の治療やQスウィッチレーザーを用いた太田母斑・外傷性刺青・異所性蒙古斑・しみ(加齢性色素斑)の治療を行ってまいりました。
2018年11月より血管性皮膚病変(いわゆる赤あざ)の治療も可能となります。今回、パルス可変式ロングパルス色素レーザーとして最新の「Vbeam II」(米国シネロン・キャンデラ社製)を導入し、単純性血管腫・苺状血管腫・毛細血管拡張症の治療(保険適応)を開始します。
血管腫の代表的疾患である「単純性血管腫」は自然消退することなく、年齢とともに色調が濃くなったり、顔面や頸部では肥厚するケースもあります。色調の原因は真皮内の毛細血管の拡張と増加であり、放射性物質による治療が行われた時代もありましたが現在の治療の第一選択は色素レーザーとなっています。
新生児の「苺状血管腫」は発生率1.1~数%と比較的頻度が高く、出世直後から3週間の間で紅斑として出現し1歳前後まで隆起増殖しその後自然退縮傾向を示します。従来はWait-and-Seeで自然退縮を待つことが多かったようですが、この「隆起増殖」してしまった苺状血管腫(腫瘤型)は退縮後に萎縮性瘢痕となったり、部位によっては視力障害などの機能障害をきたすことがあるため、なるべく早期の段階でレーザー治療を行い早期の退縮を誘導することも選択肢の一つとなっております。
いわゆる赤ら顔といった顔面の「毛細血管拡張症」は真皮上層の病変であり、血管径が太い・血流の流速が早いなどで従来のレーザーでは効果が弱いケースも、今回導入する色素レーザーでは適正なレーザーパルスを調節できるためより高い治療効果が期待できます。
現在、柏市近郊において色素レーザーによる血管腫治療が行える病院は非常に少ないため、今回の導入により柏市の方にとって血管腫治療の選択の幅が広がり、よりスタンダードで良質な医療が提供できると考えております。

【導入機器】
「Vbeam II」(シネロン・キャンデラ社製)・・・パルス可変式ロングパルス色素レーザー

【対象疾患】
苺状血管腫
血管性皮膚病変(赤あざ)
毛細血管拡張症

【外来受診】完全予約制
紹介状をお持ちの方は、地域連携課(04‐7145‐1130)までご連絡ください。

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