大腸がんに対する腹腔鏡下大腸切除術

内視鏡外科 大腸がんに対する腹腔鏡下大腸切除術

大腸がんで死なないために・・・

今や2人に1人ががんになる時代――大腸がんはもともと日本人には少なかったのですが、食生活の変化に伴い増加傾向の一途をたどっています。2008年の統計(下図:厚生労働省「人口動態統計」)では、がんで死亡する順位を性別でみると大腸がんは男性では第3位、女性では第1位となっています。

大腸がんは、がんの中でも「最も治りやすいがん」とされていますが、大腸がんの死亡率が増加しているのはなぜでしょう?・・・それは検診をきちんと受けていないことが一因と考えられます。2007年に策定された「がん対策推進基本計画」では目標のひとつとして、がん検診の受診率を50%以上とすることが掲げられ、同年の検診受診率は男性27.5%、女性22.7%と推定されています。受診率は徐々に増えてはいますが、まだ決して充分とはいえない現状です。厚生労働省は「40歳以上で問診および便潜血検査を年1回」を大腸がん検診として推進しています。便潜血反応が陽性の場合、精密検査として大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。その結果に特に問題がなければその後の4~5年は大丈夫なケースがほとんどです。その理由は、標準的な早期大腸がんが発生するには約1,500日かかるとされるからです。

ステージ 0 I II IIIa IIIb IV
5生率(%) 94.3 90.6 81.2 71.4 56.0 13.2

上に示す表は1991年~1994年度の大腸がん研究会・大腸がん全国登録(18,672例)による「大腸がんの5年生存率」です。ステージ(病期)0やIの早期がんは予後が良好であることが分かります。大腸がんで死なないために――まず検診をきちんと受けましょう!

大腸がんを早く見つければ・・・

検診をきちんと受けるメリットとして、極めて早い段階のがんを発見できる可能性が挙げられます。下の写真・図は大腸内視鏡検査で認めた大きさ12mmのポリープを内視鏡的に治療したケースです。病理組織検査(顕微鏡による細胞レベルの検査)でがん細胞を認めましたが取り残しはありませんでした。

この方法は病巣の下に生理食塩水を注入して隆起させ、ここにワイヤー(スネア)をかけて焼き切るもので「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」といいます。このように腹部には全くメスを入れずにがんを切除できてしまう場合もあるのです!

また内視鏡で取りきれないがんであっても著しい進行がんでなければ腹腔鏡による手術が可能な場合があります。これはカメラでおなかの中を見ながら腹部に開けた小さな穴から手術器具を挿入して手術を行う方法です。

この腹腔鏡手術のメリットは、傷が小さい、術後の痛みが少ない、腸管運動回復が早い、早期社会復帰が可能、癒着が少ない(腸閉塞のリスクが下がる)などです。同じ大腸がんの手術した場合の開腹手術(写真左)と腹腔鏡手術(写真右)を比較してみると、その傷の大きさの違いは・・・一目瞭然ですね!

右の写真はおヘソに4cm程度の傷(この傷はおヘソのシワに引き込まれるのでより小さく見えます)、右下腹部に1cmちょっとの傷があるだけに見えます。実際はこのほかにおヘソと同じくらいの高さの両脇腹に5mmの傷があるのですが、小さくて写真では写らないほど目立ちません。

このホームページをご覧になって検診の大切さを実感されたら・・・一度当院へ足を運ばれてみてはいかがですか?

外科 岡田 慶吾

 

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