腎センター

腎センターについて

腎センターは保存期慢性腎臓病、急性腎障害、透析療法、腎臓病、腎臓移植、腎臓関連疾患、そして各種アフェレシス療法、胸・腹水濾過濃縮再静注法(CART)に関わる治療を行なっています。専任の医師・看護師・臨床工学技士・栄養士・薬剤師・理学療法士がチームとなり、皆様の腎臓病ならびに血液浄化・アフェレシス療法を必要とする疾患に対する診療を行っています。

認定施設

当腎センターは以下の施設に認定されています。
1)一般社団法人 日本透析医学会 認定施設(認定施設登録番号:第858号)
2)公益社団法人 日本臓器移植ネットワーク 腎臓移植施設(会員番号:A-2-065)
3)一般社団法人 日本腎臓学会 腎臓移植施設
4)一般社団法人 日本アフェレシス学会認定施設(認定番号:S22001号)

診療範囲

1.保存期慢性腎臓病の治療と生活指導
2.末期腎不全に対する血液透析、腹膜透析、腎臓移植の療法選択
3.腎臓移植(生体・献腎移植)、ならびに腎移植患者さんの診察・治療
4.末期腎不全に対する透析療法(血液透析、血液濾過透析、腹膜透析)
5.急性腎不全、多臓器不全、免疫疾患、肝不全、等に対する血液浄化・各種アフェレシス療法
6.血液透析患者さんなど慢性腎不全患者さんの外科治療
7.Blood accessに対する治療
8.難治性胸腹水に対する胸・腹水濾過濃縮再静注法(CART)
9.入院患者さんの腎臓病に関する他科との連携
10.高齢の患者さんや日常生活動作の低下した患者さんに対し、理学療法士が透析中に運動療法を行い、導入後も日常生活を元気に楽しく過ごせるように体力の維持・回復を目指す

このように、柏厚生総合病院では、
①慢性腎臓病の進展を阻止する保存時慢性腎臓病の管理
②血液透析療法とオンライン血液濾過透析・腹膜透析
③腎臓移植
④アフェレシス療法
⑤透析患者さんへのリハビリテーション
⑥Blood accessの作製
を中心とする診療を行っております。

慢性腎臓病(CKD)外来 ▲完全予約外来▲

高齢化社会を迎え、慢性腎臓病を抱える患者さんが日本の成人の約8人に1人にあたる約1,300 万人いるといわれています。CKD外来は、慢性腎臓病があり、透析導入前までの患者の皆様を対象とした外来です。専門の医師・看護師が、腎臓病の基本や治療上の注意などについて個別にご説明し、医学的な管理と患者さんに必要な生活指導を行い、透析に至らないよう、あるいは透析までの時間を遅らせるよう、治療を行っていきます。必要に応じて栄養士による栄養指導も行います。病状に応じて1~3ヶ月に1回の通院となります。また末期腎不全に対する腎代替療法である血液透析・腹膜透析・腎臓移植についての基本や、治療上の注意などについても個別にご説明いたします。

透析療法・腎臓移植について

血液透析(HD)とオンライン血液濾過透析(HDF)
末期腎不全とは腎臓のはたらきが低下し、体内の老廃物や余分な水分を排泄できない状態をいいます。腎不全が進行すると食事療法や薬物療法だけでは尿毒症をコントロールすることができなくなり放置すると全身衰弱から命が危険になります。そのため「透析療法」か「腎臓移植」によって腎臓の働きを補助する必要があります。
透析療法にはおもに血液透析(Hemodialysis:HD)と腹膜透析(Peritoneal Dialysis: PD)があります。当院では、主に血液透析と血液透析の応用であるオンライン血液濾過透析療法を行っています。透析療法といえば血液透析が主流ですが、今後は、自分のライフスタイルにあわせて治療ができる腹膜透析の導入も選択肢の一つとなります。そのような観点から、当センターでは患者さんのご希望ならびに患者様の状態を考えた上で、3つの腎代替療法である血液透析・腹膜透析・腎臓移植をご提案していきます。

腎移植について

当センター担当医は30年以上臓器移植医療に携わり、腎臓移植ばかりではなく、他の臓器の移植を含め多くの臓器移植を経験して参りました。2022年7月に柏厚生総合病院に赴任、9月に第一例目の生体腎移植術を施行しました。ドナー・レシピエントともに術後経過は良好で、とくにレシピエントの患者さんは20年近い透析生活から離脱し、現在完全社会復帰をしております。
献腎移植も、当院が日本腎臓学会 腎臓移植施設認定を受け、さらに日本臓器移植ネットワーク 腎臓移植施設に認定されたことから、今後実施するための準備を進めています。
当センターは東葛地域で唯一腎臓移植を行える施設として、血液浄化療法を含め地域の方々の健康のために力を尽くしたいと考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
当センターでは、血液型不適合やドナー抗体陽性腎移植も、術前にアフェレシス療法などを行うことによって安全に施行しています。

腎移植手術:
現在残されている患者様の腎臓は摘出せず、下図のように下腹部に移植します。これは安全に手術がしやすく、膀胱にも近く、皮膚の上からも触れることができ、その後の管理がしやすいためです。手術は全身麻酔をかける時間を含め、約5時間で終わります。
術後は免疫抑制剤の調整などを行い2週間程度で退院、外来通院となります。

生体腎移植におけるドナー:
ドナーとして腎臓を提供していただくにあたり、十分な精査を行い、一腎となっても残りの人生を今まで通り生活していけることが担保された場合に、ドナーとして一腎を提供していただきます。

ドナーのリスク
手術に伴うリスク:
・手術による死亡リスクは0に近いが、感染・腹壁瘢痕ヘルニア・ 出血などは数%の可能性がある。

腎摘出に伴う腎機能低下などは、
・透析に至るようなリスクはほとんどない(5%未満)が、高血圧や蛋白尿は数%ある。
・残った腎臓の機能は、提供前のおよそ70~75%程度となる。

ドナー手術:
当院では腹腔鏡を用いて腎臓摘出術を行い、術後は約1週間で退院となります。

ブラッドアクセスについて

当センターでは、透析治療に必須の内シャントの作製手術を多くの場合外来日帰り手術で対応し、動脈表在化術、人工血管手術も行なっています。

透析患者さまの腎臓リハビリテーションのご案内

当院では透析患者さんの健康を守るための腎臓リハビリテーションを推進しています。透析患者さんにおいて、運動は継続が大切です。筋力を維持し、寝たきりやフレイル状態を予防すると期待されています。私たちは、リハビリテーション科と協力し、透析中に行う腎臓リハビリテーションプログラムを行っております。体力に応じた運動療法を行い、運動の効果を評価し、運動を継続し日課となるような支援を行っております。

胸・腹水濃縮濾過再静注法(CART)

肝硬変や癌性腹膜炎により腹水が大量に貯留すると、患者さんに腹部膨満感や食思不振、呼吸困難感などの苦痛をもたらし、生活の質を低下させること繋がります。そのような患者さんに対して当センターでは、CART療法で腹水を処理し、患者さんの苦痛を取り除くことを行なっています。
このように当センターでは、腎疾患だけではなく、肝疾患や悪性腫瘍に対する治療も行なっています。
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腹満のため経口摂取できず:CART前      腹水8ℓ抜水    CART後

 

経口摂取可能となった

医師

腎センター長・臓器移植外科部長 小﨑浩一

学歴

東京医科大学 S63卒

学位
医学博士
所属学会

日本外科学会    日本消化器外科学会
日本消化器病学会  日本肝臓学会
日本透析医学会   日本アフェレシス学会(評議員)
日本乳癌学会    日本臨床腎移植学会
日本臨床検査医学会 日本移植学会(代議員)
日本臓器保存生物医学会(評議員、広報委員)
日本外科感染症学会(評議員、広報委員)
日本肝胆膵外科学会(評議員)
近畿外科学会(評議員)
日本CART研究会(常任世話人)
CART研究会 関東甲信越CART研究会(代表世話人)

認定等

日本外科学会指導医・専門医
日本消化器病学会指導医・専門医
日本肝臓学会指導医・専門医
日本透析医学会指導医・専門医
日本アフェレシス学会専門医
日本消化器外科学会指導医・専門医
消化器がん外科治療認定医
日本乳癌学会認定医
日本臨床腎移植学会認定医
日本がん治療認定医機構暫定教育医・認定医
日本臨床検査医学会臨床検査管理医
インフェクションコントロールドクター(ICD)
日本移植学会認定医
日本外科感染症学会周術期管理認定医・教育医
日本医師会認定産業医
難病指定医
回復期リハ病棟専従医師研修会修了
茨城県指導医養成講習会修了
NST医師・歯科医師教育セミナー修了
日本腎代替療法医療専門職推進協会腎代替療法専門指導士
一般社団法人多発性嚢胞腎協会PKD認定医

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