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診療内容

乳腺外科 乳がんについて

乳がんについて

ご存知ですか?日本人女性のがんの中で最も多いのは乳がんです。1991年から胃がんを抜いて女性のがんの第1位となり、今では乳がんと診断される方の数は1年間に4万人を超えています。これは30年前の3倍以上の割合で、日本人女性の30人に1人が乳がんになる計算です。食生活の欧米化や生活習慣の変化により、今や女性の誰もがかかる可能性のある身近な病気であると言えるのです。

検診で早期発見

乳がんは自分で発見することができる数少ないがんの1つです。また早期であれば90%以上の方が治る病気です。それだけ乳がんは、早く発見して、早く治療することがとても大切になるのです。乳がんと診断されるのは40歳以上の女性に多いのですが、最近は20~30歳代の方にも見受けられるようになってきています。20歳を過ぎたら月に1回は自分で乳房を触って自己検診を是非してみてください。また30歳以上の方には乳がん検診を積極的に利用していただき、早期発見、早期治療に結び付けていただきたいと思います。

乳がん検診について

乳がん検診は基本的には(1)視触診、(2)マンモグラフィ、(3)超音波検査の3種類の検査を組み合わせることによって行います。それぞれの検査の優れた特徴を総合判断することによってより精度の高い診断が可能となります。

当院では経験を積んだ検診マンモグラフィ読影認定医が、診察と検査結果の総合判定をわかりやすく受診者の皆様にお伝えするようにしています。また検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師ならびに超音波検査担当技師はすべて女性ですので、検査を受けるのが恥ずかしくてちょっといやだなとお感じの方々にも安心して検査を受けていただけるよう配慮いたしております。

(1) 視触診
しこりの有無、場所、形、大きさ、動きやすさ、皮膚のひきつれやくぼみ、乳頭からの分泌物の性状、わきの下や首まわりのリンパ節のはれなどがないかを調べます。何か所見があった場合、マンモグラフィや超音波検査にあたって大切な手がかりとなります。
(2) マンモグラフィ
乳房を引き伸ばしてなるべく平らに圧迫し、乳腺の重なりをできるだけ少なくして、左右の乳房をそれぞれ縦、横2方向から乳腺専用のレントゲン装置で撮影します。触ってもわかりにくい小さなしこりや早期の乳がん、またしこりを作らないような乳がんの発見に適しています。
検査の性格上、個人差はありますが圧迫する際の痛みが伴うことがあります。また乳腺の発達している20~40歳代の比較的若年層の場合、乳腺の中に隠れたしこりが見えにくいという弱点もあります。
当院では乳がん検診基準をクリアした最新鋭マンモグラフィ装置、SHIMADZU社 SEPIO-Cを導入しております。
(3) 超音波検査
乳房の表面にゼリーをぬって、乳腺専用の超音波装置を乳房にあてて行う痛みのない検査です。しこりの性状や良性か悪性かなどの質的診断に威力を発揮します。また乳腺の発達した若年層の方や妊娠中の方の検査に適しています。
当院では最新鋭超音波装置、TOSHIBA社 Aplio 50を導入しております。
(4) その他の検査
これまでの3種類の検査でもう少し詳しく調べておいた方がいいですねという場合、細い針をしこりに刺して細胞をとる穿刺吸引細胞診行い顕微鏡で確認する病理検査を行います。
また米国GE社の最新型マルチスライスCTスキャナー Light Speed Ultra 16やドイツSIEMENS社の高性能MRI装置 MAGNETOM Symphony 1.5Tを使用してCT検査やMRI検査を行い、病変のより詳細な評価、診断に役立てています。

乳がん治療について

乳がん治療の大きな柱には(1)手術、(2)化学療法(抗がん剤など)、(3)ホルモン療法、(4)放射線療法の4つがあります。

私たちは、乳がんの大きさや転移の有無、年齢、全身状態をよく考えた上で、乳がん治療ガイドラインや2年に1度開催されるザンクト・ガレン国際乳がん専門家合意会議の最新知見も取り入れて最適な治療方法を組み合わせ、よりよい結果に結び付けて行きます。

患者様やご家族の皆様が十分納得され安心して治療に臨んでいただけるよう配慮し、患者様の価値観やご家庭内、職場での立場などライフスタイルにあった治療計画を提供していくことが何よりも大切であると考えています。

(1) 手術
乳がんの手術は、乳房全部を切除する「乳房切除術」とがんを含む乳腺の一部を切除する「乳房温存術」に大きく分けられます。乳房温存の目安はがんの大きさが3cm以下ですが、当院でも早期発見に努め、さらに手術中にがんの広がりがないか顕微鏡で調べる迅速病理検査を行うことによって適応症例には積極的に温存術を行っています。
(2) 化学療法(抗がん剤など)
乳がんは抗がん剤が比較的よく効くがんでとても大切な治療法といえます。リンパ節転移を認めた場合の術後補助療法、術前にがんを縮小させることを狙った術前化学療法、多臓器転移が認められ手術が選択されない場合などが化学療法の適応となります。
お薬は点滴や内服薬があり、点滴で投与する方法は何種類かの抗がん剤を組み合わせて行います。点滴での投与は入院していただいたり外来通院で行ったり、患者様の全身状態やライフスタイルを考慮し相談のうえ決定しています。
副作用は食欲低下、下痢、だるさ、髪の毛が抜ける、骨髄という血液を作る工場を抑制することによる貧血・抵抗力(免疫力)低下、手足の皮膚が荒れるなどで、非常に重症な副作用が出ることもごくまれにあります。
(3) ホルモン療法
多くの乳がんはエストロゲンという女性ホルモンで発育・進展していきます。また女性は閉経前と閉経後では女性ホルモンを作る仕組みが変化します。閉経前は卵巣が女性ホルモン産生の主体ですが、閉経後は脂肪から作られるようになります。現在では閉経前には抗女性ホルモン剤と卵巣機能抑制剤を、閉経後には抗女性ホルモン剤と脂肪から女性ホルモンを作り出す酵素の阻害剤を組み合わせて投与する方法が一般的です。一部に女性ホルモンの感受性がとても低い乳がんもみられます。こういった乳がんには最近非常に話題となっている分子標的治療薬という新しいお薬を投与していくことになります。
副作用として骨粗しょう症があり、投与時には時々骨密度の測定を行っていきます。
(4) 放射線療法
当院でも乳房温存術を適応症例には積極的に行っていますが、温存術の場合残った乳腺にはたしてがんは残っていないの?という心配がついてまわります。そこで乳房温存術を行った患者様には残った乳腺部分に放射線を照射し、仮にがん細胞が残っていても退治できるよう残存乳房照射を組み合わせて行っています。また残念ながら骨転移などから痛みが強い患者様の苦痛を少しでも和らげてさし上げるために、転移部に照射して疼痛軽減をはかるようにもしております。放射線照射は体への負担も考え、約1ヵ月半ほどかけて毎日少量ずつ行っていきます。
ただ、今のところ残念ながら当院には放射線治療設備がなく近隣の施設と密接な連携をとりつつ、患者様の不利にならないよう他施設での治療を受けていただいています。

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