胆嚢隆起性病変をどう考える!?:胆嚢ポリープに対するマネージメント
それでは、よく検診なんかでひっかかる胆嚢ポリープ、いわゆる胆嚢隆起性病変に対してはどう対処したらよろしいでしょうか? まず始めに図7の症例をご覧下さい(超音波,CT,MRCP,標本)。胆嚢底部に小さなポリープが認められ、計測では6mm、基部が広く淡く造影されます。腹腔鏡下に摘出された標本では黒い壁内結石を有する腺筋症(慢性胆嚢炎の一形態、良性)のようにも見受けられました。しかし病理組織学的には果たしてこれは癌でありました。このような症例に対して、「サイズが1cm以下だから経過観察として、大きくなるようなら治療を!」との指導がなされているケースが散見されます。胆嚢ポリープの質的診断にはサイズが重要であることが言われております。

ここで胆嚢隆起性病変のサイズから見た悪性の可能性を提示いたします。もちろん、形態的に癌は基部が広く、コレステロールポリープは茎があって分葉している、という特徴はあります。一方で、表1に示します通り5mm以下であっても20件に1件、6-10mmでは9.3%が癌であり、サイズの増大に伴って癌の可能性が高まることは明白です。そして、1cmを一つの境界としている内科医が多い傾向にありますが、この範囲内(1cm以下)であっても6%以上に癌が存在することに留意すべきでしょう。胆嚢隆起性病変がそのサイズによって癌の可能性が高まることを申しましたが、当然のごとく腫瘍が大きくなればなるほど進行度も増します。

図8のグラフは胆嚢癌進行度別の生存曲線で、Stage IIIで5年生存率が50%を越える胃癌や大腸癌に比較して、胆嚢癌ではstage IIで50%、stage IIIで30%台と不良であり、上で申し上げた10mm以下の腫瘍はStage I症例でありますが、この段階であっても5年生存率は75%、恐るべき悪性度と言わざるを得ません。


